こてつばあちゃんの奮闘記

勇気と楽しい日々をお届けします

「見た目問題」と向き合うを読んで

 

 1月14日(火)から朝日新聞の「現場へ!」で4回シリーズで掲載された「見た目問題」と向き合うを興味深く読みました。17日(金)が最終回の4回目でした。昨日はの記事には下記のような記述がありました。

 【見た目問題が生じるのは、当事者の「見た目」ではなく、社会側の「見る目」にこそ、問題がある。当事者は、社会に適応するために努力をしている。でも、本当はそんな努力をしなくても、生きづらさを感じない社会になるのが理想だ。そのためには、社会が当事者を「見る目」を変える必要がある。多様な外見があることを知り、好奇な目で見ない。普通に接し、内面を知ることだ。】

 なるほどその通りだと思います。かくいう私も口蓋裂という「見た目問題」の当事者です。社会を変える運動をしたいなと思ったことも何回かあります。社会を変えていく運動をし続けて、社会の意識を変革をすることも大切なことだと認識しています。

 実際の私はといえば、ちょっとだけ視点を変えて自分をみています。「自分はこれでいい」という自分を受け入れる気持ちこそ大切だと思っているのです。もちろんジロジロ見られたり、通りすがりの子どもたちに悪態をつかれたり、子どもの頃はからかわれたりしましたが、そのようにされることを「社会が悪い」「あの人がひどい」と思ったことはあまり記憶にありません。自分自身でひどい顔をしていることはよく承知していますし、どうにも変えようがないのですから。私自身もきれいなものを見たりするのは好きですし、変わったものを見ると「あ、変わっているな」と思うことも他人や社会を責める気になれない原因かもしれません。自分の顔は自分では見えないから、救われて生きていけるのだと言いながら笑っています。

 見た目に問題があると思う子どもさんを持つご家族は、子どもに「あなたが大好き。あなたは宝物。あなたは今のままで素晴らしい。かわいいね。」といつも肯定して声に出して言ってほしいと思います。もう、それだけでいいと思います。
 外見で指をさされたり、笑われたってそんなことは問題ではないのです。言われたりされたときは傷つきますが、外見ではなくて性格や発言で笑われたり馬鹿にされたりする人だってゴマンといるのですから、社会の見る目ではなく、自分で自分を見る目を変えていくことがとても大切だと思っています。

 ご家族と当事者自身が「あなたは今のままでいい」「自分はこれでいい」という自分を受け入れる気持ちこそ大切なのではないでしょうか。社会や他人がどういう目でみようと、自分が自分を受け入れなければ、全てを社会や他人の所為にして逃げるしか道はなくなってしまうでしょう。社会や他人などを当てにしないことが大切なのだと思います。

 もちろん当事者の私としては、社会が変わってくれればそれに越したことはないし、子どもたちや今悩んでいる人たちが救われるに違いありません。でも、ご家族や当事者が「見た目問題」に向き合う姿勢が変わらなければ社会が変わっても大きな変化は望めないと思います。劣等感は想像以上に深いものですから。